文系人事が統計検定2級を取得するまで
この記事では、
- 統計検定とは何ぞや
- 統計検定受験に向けて取り組んだこと
- 統計の勉強で「やって後悔したこと」
についてまとめてみました。
めがねパパの経歴
2021年6月に統計検定2級に合格するまでのめがねパパの経歴は
- 社会人歴17年の40歳。
- 大学は社会系。ただし、統計調査などは使っていない
- 営業6年→人事11年。仕事で統計知識は全く使ったことない
- データ分析も仕事ではほぼ使わない
- 高校時代の数学は数II・Bまでの履修。センター試験で8割とれるくらいのレベル
- 平均や分散といった基本的な用語の意味は知っている
- 過去にも2回統計検定のための勉強経験有。ただし、どちらも挫折。
といった感じで、要するに初心者でした。
受験のきっかけ
世の中に遅れないためです。
人事の世界でもデータ分析が重要になったので、まずは取り組みやすそうな統計検定から勉強することにしました。
統計検定を受験してみて
良かったと思うことは
- 統計的な視点を理解できるようになった
- 「推定・検定」といった統計知識の使い方がわかった
- 周囲(特に会社の同僚)に一定の知識があることを証明できる
「FACTFULNESS」に影響を受けた私としては、統計的な視点が身についたことが何よりもうれしかったです。
1.統計検定とは何ぞや
概要
統計学は「科学の文法」と言われているように、自然科学、人文科学、社会科学等の学問分野で、実証分析、データに基づいた意思決定等のために用いられています。第4の科学と言われている「データ中心科学」の礎、中核となる理論、手法を提供しています。統計学の知識を利用することにより、仮説に対してデータをもとに検証するという統計的問題解決が行えます。日本においても、統計関連学会連合において、大学における「統計学分野の教育課程編成上の参照基準」が作成されました。統計検定2級は、この参照基準に示されている大学基礎科目レベルの統計学の知識の習得度と活用のための理解度を問うために実施される検定です。
(「統計検定HP」より引用)
要は「データを扱う基本的な力を測るための試験」ということですね。
受験方法
受験方法は2種類あります。
- CBT方式
- 従来の検定試験
<CBT方式の特徴>
- パソコンを使って受験する
- 時間や場所を選べる
- 日程候補が多いので学習計画が立てやすい
<従来の検定試験の特徴>
- 紙を使って受験する
- 受験会場や日程が決まっている
- 試験日から逆算して学習計画を立てる必要がある
特にこだわりがなければ、CBT方式の受験をおススメします。
受験場所や日程が選べるのは、かなり便利です。
特に、指定の会場から遠い人にとってはCBT方式が絶対に便利です。
難易度
検定試験2級の合格者の推移をまとめました。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2021年 | 731 | 249 | 34.1% |
2019年 | 4,307 | 1,871 | 43.4% |
2018年 | 3,428 | 1,461 | 42.6% |
2017年 | 3,084 | 1,349 |
✳︎2021年は6月実施分
✳︎2020年は検定中止のためデータなし
合格率は40%前後で、高くも低くもないといったところですね。
2.統計検定受験に向けて取り組んだこと
学習期間
- 学習期間:2021年1月〜6月
- 平日の学習時間:0〜1時間
- 学習時間:1時間
あまり詰め込まずにゆったりとしたペースで取り組みました。
試験前2週間前は2時間くらい勉強するようにしましたが、そこまで集中的に勉強はしませんでした。
学習の大まかな流れ
大まかに3つのステップを意識して取り組みました
- 超初心者編:確率分布ってなに?推定・検定ってなに?を数式を使わず理解する
- 初心者編:確率や確率分布、推定・検定を数式を使って理解する
- 基礎編:確率・確率分布・推定・検定を数式を使って解いてみる
特に「超初心者編」を重視しました。
3か月くらいはこの段階でした。
これまで全く統計に関わったことがない人が、いきなり「3.基礎編」から始めると、シンプルに挫折します。
私の過去の挫折原因はここにありました。
活用した教材
長くなりますので、こちらは別記事にまとめました。
教材選定で大切なことは
- 本だけではなく動画も活用する
- 一つの教材にこだわらない
- 自分のレベルにあった教材を見つける
の3点です。
3.統計の勉強で「やって後悔したこと」
私は過去にも2回統計検定に挑戦しており、2回とも挫折しております。
その時の反省を踏まえた「やって後悔したこと」は、この3つです。
- いきなり過去問を解く
- いわゆる「定番書」に取り組む
- 一つの教材にこだわる
重要なのは、「文系出身者のほとんどは、初心者の手前の”超初心者”」ということです。
それを踏まえずに取り組むと、ほぼ間違いなく挫折すると思います
いきなり過去問を解く
社会人の資格対策では、「まずは過去問を解いて出題傾向をつかむ」ことが良いとされています。
しかし、統計に慣れていない人がいきなり問題を解いても効果はありません。
せいぜい、「選択式なんだな・・」とか「何を問われている問題かわからないな。。」程度の気づきがあるくらいです。
逆に、わからなすぎて心をへし折られる危険性の方が高いです
「まずは過去問」方式、は「出題範囲が広く、覚えることが大量にある試験」には確かに有効です。
ただし、統計検定は出題範囲が限られており、覚える内容もそんなに多くないです。
ひとつずつ丁寧に理解していくことの方が重要なので、いきなり心をへし折られるようなことはやめましょう。
いわゆる「定番書」に取り組む
多くのブログや書店で進められている「統計の基礎的な本」は、「超初心者」には少し難しめの本になります。
私も、ネットで調べたおすすめの定番書を購入しましたが、その本が読み切ることに悪戦苦闘しているうちに、心が折れてしまいました。
日本語は読めるのですが、内容が理解できない・頭に入ってこないのです。
「これではいかん」とレベルを下げた教材をつかって、「記述統計」「回帰の考え方」「確率分布の考え方」「推定・検定の仕組み」を少しずつ理解するようにしました。
その後に定番書に戻ると、本の内容を理解することができ、数式の細かい意味や使い方がわかり、全体像が掴めるようになりました。
超初心者段階で大切なのは、良書である「定番書」で無理して勉強することよりも、「自分のレベルに合った教材」を使って少しずつ理解を深めることだと痛感しました。
一つの教材にこだわる
繰り返しになりますが、超初心者にとって大切なのは、「統計の考え方を少しずつ理解する」ことです。
「あ〜、相関係数ってそういうことかあ〜(^ ^)」と理解するためのアプローチは人によって異なります。
同じ相関係数でも本によって説明の仕方は違うので、いくつか本を読んでいると、突如として腑に落ちることがあります。
一冊の本にこだわっていては、いつまでも理解が進まないので、積極的にたくさんの本を読むようにしましょう。
まとめ
統計検定2級は、データの取り扱いの基礎力を磨けるおすすめの資格です。
文系出身者の人も、超入門レベルの本から始めれば間違いなく合格レベルまで達することができます。
ぜひ頑張ってみてください